システム開発を行う際やITプロジェクトを進めるにあたり、プロジェクトのゴールを明確にして必要な機能・条件を整理する工程である「要件定義」は避けては通れません。この部分が不十分である場合、開発途中で仕様変更が頻繁に発生してしまい、コスト・納期の大幅なズレにつながる可能性があります。
ただし、社内にITに精通した人材がいない場合やリソース不足となっている場合には、自社のみで要件定義を完結させることが難しい場面もあり、このような場合には「外注」という選択肢が検討されることになります。
本記事では、要件定義を外注するメリットやデメリット、費用相場などを含めた「外注を成功させるコツ」について解説を行います。
システムやアプリケーションを開発する上で、要求を仕様や機能に落とし込む工程を「要件定義」と呼びます。要件定義を行う上では、ユーザーのニーズや目的などを正確に吸い上げることが重要です。そのためには、関係者とコミュニケーションをとりながら進めていくことが大切です。
もしこの要件定義をしっかりと行わずにシステムやアプリケーションの開発を進めた場合、開発途中で仕様の変更などが発生し、開発スケジュールが伸びてしまったり、コストが余計にかかったりする可能性があります。
要件定義を外注する場合、外部の専門的な知見を活用できることが大きなメリットです。豊富な経験を持つ開発会社やコンサルタントに外注することにより、要件漏れや曖昧さを排除でき、効率的に文書化できます。さらに、第三者の視点を取り入れられるので、社内では気づきにくいリスクや改善点などの洗い出しが可能なケースもあります。
もし、社内におけるリソースが不足していたとしても、外注によって工数を削減しつつプロジェクトを進められます。
上記の通りメリットがある反面、要件定義の外注にはデメリットもあります。
例えば、コストが増加する点が挙げられます。外部に依頼した場合は当然費用が発生するので、プロジェクトにおけるコストが増大します。また、外部委託に頼りすぎてしまった場合には、開発するシステムを利用する担当者が本質的に理解することが難しくなり、運用段階で問題が発生するリスクも考えられます。
さらに、外注先とのコミュニケーションを十分に取らなかった場合には、誤った形で要件が解釈される恐れがある点にも注意しなければなりません。
要件定義を外注する際には費用が発生しますが、「どこに依頼するか」「プロジェクトの規模」により大きく変わります。例えば、規模の小さなWebシステムの場合には数十万円程度から、大規模な基幹システムともなると数百万円となるケースもあります。
また、外注する場合の契約形態は、以下の2種類が一般的です。
上記のどちらを選択するかは、プロジェクトの性質や、プロジェクトで管理する機能・作業範囲の明確さ、などから判断します。
外注先としては、主に以下の3タイプが挙げられます。
外注先を選ぶ際には、実績や業界知識、担当者のスキル、契約条件を十分に確認することが必要です。特に「自社の業務内容を正しく理解できるか」は、外注先を選ぶにあたって非常に重要なポイントであるといえます。
要件定義の外注を行うにあたり、失敗を防ぐために注意したいポイントがいくつかあります。
1つ目のポイントは外注前に情報を社内で整理する点です。例えば、システム導入目的や事業課題、優先順位などを社内で明確にします。この点をはっきりさせないと、外注先から的確な提案を受けることが難しくなります。
2つ目は外注先とのコミュニケーションを密にすることです。例えば定例会議の開催や成果物の段階的なレビューの実施などにより、自社と外注先の間での誤解や認識のずれなどを防止できます。
3つ目として、過去の失敗事例の調査も、成功に向けた取り組みとして有効です。例えば「外注先に丸投げをした結果、業務フローに合わない要件定義が行われ、結果として導入後に大規模な修正が必要になった」失敗例などが挙げられます。このような過去の失敗事例を知り、社内の関係者を巻き込んで責任を持つ体制づくりを行っていくことが大切です。
外注を行う場合には、契約書の内容を十分に確認しておくことが不可欠です。納品物としてどこまでを成果物とするかをはっきりさせることに加え、要件定義書の範囲・形式も前もって合意する必要があります。
さらに、作成文書や設計情報などの知的財産権の帰属も重要な確認事項のひとつです。加えて、契約を途中で終了する可能性を考え、契約解除の条件や費用の精算ルールの取り決めを行っておくことで、後々のトラブル防止につながります。
本記事でご紹介してきた「要件定義の外注」は、社内にノウハウやリソースが不足している企業にとって非常に有効な手段です。検討する場合には、メリットとデメリットを理解した上で適切な外注先を選択するとともに、社内の体制をしっかりと整えてから依頼することが成功の鍵です。
決して費用の安さのみで判断するのではなく、品質や対応力、信頼性を見極め、契約条件を十分に確認した上で外注先を選択することが大切です。以下では、おすすめのPMOサービス会社をご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。


